【※ネタバレあり】読む方は覚悟が必要です。

『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女 』映画レビューです。
本日、鑑賞者は、わたし含めて3人でした。
では簡単なあらすじを。
「その閃光は人類の希望――」
U.C.0105、シャアの反乱から12年――。
圧政を強いる地球連邦政府に対し政府閣僚の暗殺という方法で抵抗を開始した「マフティー」。そのリーダーの正体は、一年戦争をアムロ・レイと共に戦ったブライトの息子、ハサウェイ・ノアであった。
不思議な力を示す少女ギギ・アンダルシアにかつてのトラウマを思い出すハサウェイ。彼女の言葉に翻弄されながらもマフティーとしての目的、アデレード会議襲撃の準備を進めるが……。
連邦軍のケネス・スレッグは自ら立案したアデレード会議の支掩作戦とマフティー殲滅の準備をする中、刑事警察機構のハンドリー・ヨクサンから密約を持ちかけられる。
そして、ハサウェイ、ケネス、それぞれが目的のために動く一方で、ギギもまた自分の役割のためにホンコンへと旅立つ。
そして、結構理解できないワードがあるので復讐のために。
ワードの解説
マフティー
マフティー・ナビーユ・エリンをリーダーとして活動している反地球連邦政府運動の名称。アナハイム・エレクトロニクス社と繋がりを持ち、運動の指導者でもあるクワック・サルヴァーの援助を得て活動している。最新鋭モビルスーツ「Ξガンダム」と「メッサー」各機種を運用するモビルスーツ部隊を有し、鉱物運搬船を改装した偽装貨物船「ヴァリアント」を始めとした船艇を保有。戦力面では地球連邦軍の一個部隊にも匹敵し、その所在を捕捉されないよう注意深く拠点を移動しながら展開し続けている。地球環境の保護を名目に全人類が宇宙で暮らすべきだという主張を掲げ、要求を受け入れない地球連邦政府の要職にある閣僚を次々に暗殺。自らが求める政策を地球連邦政府に完全に実施させることを最終目標としている。
キルケー部隊
ダバオ空軍基地を拠点に展開する地球連邦軍部隊のひとつ。管轄は南太平洋管区。反地球連邦政府運動「マフティー」の捕捉殲滅を主任務としていたキンバレー部隊の戦果が芳しくなかったため、部隊司令であったキンバレー・ヘイマン大佐を解任、ケネス・スレッグ大佐が新司令として着任した。マフティーの保有するモビルスーツに対抗するために、アナハイム・エレクトロニクス社が開発した最新鋭試作機「ペーネロペー」を配備するなど、ケネスの手腕により部隊の戦力も大幅に改善された。基地司令の名前から「スレッグ部隊」と呼ばれる慣例だったが、新任のケネスはこれを嫌って、呼称を変更。新たな部隊名のキルケーとは、オデュッセウスの物語に登場する太陽神ヘーリオスの娘である女神の名が由来。獰猛な動物を大人しくさせるキルケーの魔法にあやかった。
キンバレー部隊
キンバレー・ヘイマン大佐が指揮するダバオ空軍基地に駐屯する地球連邦軍部隊。しかし、主任務である反地球連邦政府運動「マフティー」の捕捉殲滅を完遂することができず、アデレード会議を目前に司令の解任が決定した。キンバレーは新司令の赴任前に少しでも実績を挙げ、自らの保身をはかるべく、主力部隊を率いてオエンベリに展開するマフティーの第1軍を名乗る部隊の掃討作戦を展開。しかし、この作戦行動もケネス赴任前に決着をつけることはできず、基地に残した兵力も再編されることとなる。さらに非道な手段によりオエンベリ兵力の鎮圧を急ぐが、その惨状を記録した映像が独立系メディア・SPTVによって配信され、孤軍に追い込まれると、進軍してきたマフティーによって残存兵力も制圧され、キンバレー本人も確保された。
オエンベリ軍
オーストラリアの北部の街オエンベリに集結した数万の反地球連邦政府分子が結成した私設軍隊。ファビオ・リベラの呼びかけでこの地に抵抗戦線を張ると、不法居住者を中心とした陸軍の結成を目指し、さらには地球連邦軍の物資の横流しを利用して空軍を編制することまで考えていた。ハウンゼン356便を襲撃したハイジャッカーたちも彼らの仲間で、目的は資金の確保だった。マフティーの第1軍を騙っていたが、全く無関係の組織である。しかし、反地球連邦政府運動の一角ではあり、連邦軍のキンバレー部隊による虐殺が行われているという噂もあったため、ハサウェイたちは確認に向かった。ファビオらは、マフティーにクワック・サルヴァーとの仲立ちを求め、オーストラリアでの作戦にも協力する。
刑事警察機構
地球連邦政府の治安維持組織のひとつで、局長はハンドリー・ヨクサン。マン・ハンターを使って反政府活動者や、不法地球居住者などを取り締まっている。ヨクサンは、ケネスとは摩擦を起こすこともあるが、職務としての協力は怠らず、マフティーに対する陽動も行った。また、ヨクサンのアイデアで、アデレード会議の支掩にブライト・ノア麾下の艦隊を呼び込むこととなった。調査局部長ヒューゲストは、大衆がマフティーの活動を支持し、リーダーであるマフティーをもてはやしている現状を危惧している。
マン・ハンター
地球連邦政府が組織する刑事警察機構に所属し、表向きは地球に不法滞在する人々を摘発、宇宙へ送還する役割を担う。地球居住者を拉致し、強制的に送還することからその名称が付けられた。第二次ネオ・ジオン戦争の前後から活動を活発化させており、ときには、居住権を有する者も強制的に移民させられる。また、スペースノイドの場合は強制労働を課されることもあった。
一部の政府高官、特権階級のみが地球への居住を許されているU.C.0105では、警察機構の域を超えて軍隊組織化。それに伴い、多くの人で賑わう繁華街の真ん中で拉致を行うなど横暴さは日に日に増していた。そのため、市民からの反発は大きくなっており、マフティーに対してマン・ハンターの打倒を願う者もいる。
地球連邦政府
スペースコロニーを含めた地球圏全域の統治を行うのが、地球連邦政府である。地球に首都を持ち、首相が中心となって行政権を行使している。U.C.0093の「シャアの反乱」以降、大規模な戦争がなくなったことから、地球連邦軍の規模は縮小し、その練度も下降。実戦経験のある部隊は少なくなり、主力モビルスーツもジェガンがそのまま継続されている部隊も少なくない。地球圏の安全保障を担う軍隊の弱体化は相対的に警察権の拡大をもたらす結果となり、マン・ハンターと呼ばれる武装警察が幅を利かせることになった。
アデレード会議
オーストラリアのアデレードで行われる地球連邦政府の中央閣僚会議で、地球での開催は13年ぶり。しかし、地球連邦政府自体の腐敗が進行しており、政府が認可した者以外は例外なく地球での居住を認めないという「地球帰還に関する特例法案」を可決しようとしていた。この法案は、地球の居住権を一部の特権階級が占有しつつ、マン・ハンターによる「人狩り」を後押しするものであり、この特例法案を廃案に追い込むため、マフティーのアデレード襲撃は計画された。
前置きはここまで。
正直に言います。
何が起きているのか、よくわからない時間が長すぎです。
でも、最後の数分で全部持っていかれた。
『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を観終わったあと、胸の中に残ったのは「消化不良」と「それでもやっぱりガンダムが好きだ」という、どうしようもない感情だった。
まず、戦闘シーン。
暗い。見えにくい。分かりずらい。
夜の戦闘、爆発、煙、視界不良。リアルなのはわかる。戦場とは本来そういうものだ。けれど、観ている側としては「で、今どうなっているの?」と置いていかれる瞬間が何度もあった。
爆発の煙で見えない。
モビルスーツの動きも追いづらい。
臨場感を再現した結果、臨場感よりも“理解不能”が勝ってしまった。
ハラハラもしない。
ドキドキもしない。
ただ、情報を追いかけるのに必死になる。
戦闘のカタルシスがないまま物語は進む。
正直、展開も単調に感じた。盛り上がる山場が来るのを待っているうちに、時間だけが過ぎていく。
それでも席を立たなかったのは、ハサウェイという男の背負っているものを、どうしても見届けたかったからだ。
父ブライトの影。
アムロとシャアの時代を知る世代の重み。
理想と現実の狭間で揺れる若者の孤独。
彼は英雄の子でありながら、英雄になりきれない。
革命を掲げながら、どこか迷いが滲む。
その不安定さが、この映画全体のトーンと重なっているようにも感じた。
明確な正義も、痛快な勝利もない。
ただ、重たい空気が続く。
だからこそ、あのラストだ。
アムロの存在。
そしてνガンダム。
あの瞬間、スクリーンの空気が変わった。
心の奥に眠っていた“ガンダムという記憶”が、一気に呼び覚まされた。
「ああ、帰ってきた」
理屈ではない。
ストーリーがどうとか、演出がどうとか、そういう話じゃない。
νガンダムが映った瞬間、胸の奥が熱くなった。
あの機体は、私にとって“青春”そのものなのだ。
完璧な映画かと聞かれたら、首を横に振る。
戦闘は見づらい。
物語は盛り上がりに欠ける。
それでも、最後の数分間だけで、この映画の価値は確かにあった。
たぶんこれは、派手なエンタメではなく、ガンダムという歴史の続きを静かに描く物語なのだろう。
爆発よりも、葛藤。
勝利よりも、迷い。
それが今のハサウェイなのかもしれない。
観終わったあと、モヤモヤが残る。
スカッとはしない。
でも、そのモヤモヤこそが、この作品の狙いなのだとしたら。
きっと、私はまんまと引っかかっている。
暗闇で何も見えなかった戦闘も、単調に感じた展開も、全部ひっくるめて。
あのνガンダムの一瞬に救われた自分がいる。
その気持ち、わかる人にはきっとわかるはずだ。
完璧じゃない。
でも、心のどこかを確実に掴まれた。

